いつものうるし通信 第87号
2010.07.01



「なぜだろう?」「なにが原因?」「なにが要因?」と考えることが多くなっています。
相変わらず仕事の事が中心なのですが、先週のサッカー日本代表が予選を突破した要因は何だったのでしょうか?

日本代表は、名だたるサッカー解説者、世界のマスコミの予想を覆し、モノの見事に予選を勝ち抜きましたね。私は予想する気持ちの余裕もなく、試合結果だけを見ています。しかし、勝ち抜いた要因を探そうと、先週末連休して、新聞三紙を読んだり、テレビなどでダイジェストを見ました。

岡田監督は勝利の原動力を「年寄り4人組」とコメントしていました。
その年寄りは、DF中沢、GK川口、楢崎、MF中村俊の4人。
スターティングメンバーは中沢のみ。他の3名は先発メンバーから外れています。
川口は、主将としてうまくチームをまとめいるそうです。
楢崎は、GK川島に常にアドバイスを送っている。
中村は試合の時、ベンチで相手選手の特長を見て、選手により的確な指示を送っているとのこと。中沢は、ゲームキャプテンを外れても練習で先頭を走っているそうです。

岡田監督がこう言える日本は、表から見えないところで、本当に強くなったのだと思います。もちろん、ピッチを駆け回っている選手がこれまで以上の力を発揮して、果敢に世界の強豪に立ち向かったことで、良い結果が生まれているのですが・・・。

なんでも結びつけちゃいますが、
今の輪島キリモト輪島工房、東京うるしの事務室も、じわりじわりと底固めに入っているような気がしています。結果はまだまだで、一歩進んでは、二歩下がり、今度は半歩前進・・・・。時には三歩下がることも・・・。まだまだ苦しい。情けない。

そんな時期なんですが、桐本の原点を探りながら行動していると、職人さん、スタッフみんなのいろいろな役割がはっきりと見えてきたような気がするのです。お互いの、交流、信頼感を深めていき、輪島工房内、うるしの事務室内でももっと密接な関係を築いて行ければ、このように産地を背景とした零細工房でも、きれいで日常に使えるモノが創ることができ、しっかりと発信して、活動し続けられると思えてきました。
その道はとっても長いけれども、足の裏しっかりと踏みしめて進んでいきたいと思います。

今回は石川県立産業伝統工芸館と中目黒CLASKAでの企画展のご案内です。
ぜひお立ち寄りください。

輪島キリモト・桐本木工所 桐本泰一


「朴木地屋」 ~輪島・桐本 木地のすべて~

●会期  平成22年7月1日(木)~8月8日(日) ※毎月第3木曜日休館
●時間  9:00-17:00 ※入館は16:30まで
●会場  石川県立伝統産業工芸館 1階企画展示スペース/2階第3展示場
     石川県金沢市兼六町1-1(兼六園内)
     TEL:076-262-2020
石川県金沢の兼六園に隣接する「石川県伝統産業工芸館」が今年4月より、企画運営などがリニューアルしました。とても多くの伝統工芸産地がひしめく石川県金沢で、漆器朴木地の企画は初めてです。
しかも1ヶ月間とロングラン企画。
ある種の緊張もありますが、完成度の高い木地製品から見える未来形をつかみたいと思います。
漆を塗り込むと、木地の造り、滑らかさなどがわからなくなりますが、約100種類の木地製品に使われている朴、あすなろ、ヒバ、ヒノキなどの優しい質感が、不思議な雰囲気を醸し出しています。


■桐本泰一ギャラリートーク:7月10日、11日 両日とも14:00~
■若手木地職人による作品説明:会期中の土・日(日程調整中)


CLASKA Gallery&Shop "DO" 「朴木地屋 輪島キリモトといつものうるし展」 

●会期 平成22年7月2日(金)~25日(日)  11:00~19:00
●会場 CLASKA Gallery&Shop "DO"
    〒152-0001 東京都目黒区中央町1-3-18・2F
    TEL: 03-3719-8124
昨年、DOの大熊さんが、雑誌の取材で輪島工房を訪ねてくれました。
一緒にこられたフランスのデザイナー、コーディネーター、スタイリストの方々と共に、輪島キリモトの創作の原点「木地」に対してすごく感動してくれました。これまでの漆の器、小物をはじめ、木地製品もたくさんお見せします。


■イベント:桐本泰一のうるしトーク 7月17(土)、18(日)
 ※詳細はクラスカウェブサイトをご覧下さい。
■桐本泰一在店日:7月3日(土)、4日(日)、17日(土)、18日(日)



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