いつものうるし通信 第140号
2016.04.18
●神楽坂フラスコ 「さじ展」のご案内
●輪島キリモト 桐本泰一の徒然日記
さじ展 漆のさじと、うつわ色々。
2016年4月22日(金)〜26日(火)
12:00-19:00
会 場:東京・神楽坂フラスコ 東京新宿区神楽坂6-16
お問合せ:輪島キリモト・うるしの事務室
東京都江東区高橋9-8-101/03-3631-0281/urushinoma@kirimoto.net
桐本泰一、輪島キリモトスタッフが在店いたします。
(会期中のお問合せは、神楽坂フラスコ03-3260-9055へお願いいたします)
輪島キリモトが最も得意とする『刳りもの』に焦点を合わせた「さじ展」を開催いたします。
様々な治具を駆使してかたちを整え、あぐらに座って足の指をまるで手のように使いながら、小さなカンナをいくつも使い産み出される「さじ」。職人が黙々と手がける『刳りもの』は、ある種神々しい美しさがあります。時を超えて繋いできた技術と美意識が個人を超えて輪島の「土」の生命力を感じさせるからでしょうか。
本展では大治将典氏がデザインした新作のレンゲを発表し、さじを中心に漆の器も販売いたします。また、大治氏が手がけた有田焼JICON・磁今のスープ皿や木村硝子店の器なども同時に販売いたします。どうぞご覧ください。
スープとスプーン
会期中は、輪島キリモトのスプーンと木村硝子店、JICON・磁今の器を使った春のスープやデザートをご用意いたします。(有料)
■主催・企画/輪島キリモト
■協力/木村硝子店(ガラス)、JICON・磁今(磁器)、おさらや(料理)
■機材協力/ソニー株式会社(ポータブル超単焦点プロジェクター)
輪島キリモト 桐本泰一の徒然日記
2016年4月18日 満開の桜と覚悟の春
2016年が始まり、あっという間に1年の3分の1が過ぎようとしています。
昨年2月に父が亡くなり、江戸後期より木と漆の仕事に携わってきた輪島キリモトは七代目となりました。事業継承を終え、今年からは「攻め」の姿勢で挑んでいます。父が生存中、朴木地屋を営みながら、木と漆の創作工房の基礎を作ることが出来ました。父は不安と不満、心配もあったと思いますが、一言も「やめろ」「だめだ」とは言いませんでしたね。私にとってそれだけで大きなサポートを頂いていたのだと思います。何かが大きく変わるわけではありませんが、もう私には最後の後ろ盾はありません。工房の職人さん、輪島・金沢・東京のスタッフさん、その他にも協力していただいている職人さん、クリエイターのみなさん、そして家族と力を合わせて前に進んでいこうという覚悟なのです。
さて、今年は輪島のいろいろな満開の桜を見ることが出来ました。高校入試の国語の試験で「好きな花について書きなさい」という設問があり、桜を選んだ記憶があります。花は小さくともたくさん集まり、力を合わせて満開になる姿が好きです!と書きました。たった一人では難しいことも、少しでも多くの方々と話し合いをしながら、力を合わせていくことで、難局も乗り越えていけるのはないかと信じています。ただ、体が大きく、顔や目、声までもがでかい私はどこか自信満々で、そう見られていないなと感じることもあり、大きく反省することも多いのですが、、、。
今月、輪島キリモトが最も得意な木を刳る加工によって創られる「さじ展」を自主開催いたします。東京スタッフを中心に、協力いただいているクリエイターの方々と力を合わせて開催準備が進められています。輪島キリモトとはなにか?!どうしたら木と漆を活かして気持ちよい暮らしの応援をし続けることが出来るのか?!様々な可能性を探り「攻めて」行きたいと思います。みなさま今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
▲ 輪島市石休場安町の桜