第21号 2007.09.20



私が山口智子さんとお仕事をするご縁をいただいたのは、小泉誠さんデザインの漆のコーヒーカップへの問い合わせでした。
小泉誠さん「山口智子さんがこれから作るお店で取り扱いたいと言っているので、検討してくださいね。」
桐本「・・・・・?」
最初はよくわからなかったのですが、お店のオープンが近づくにつれ、山口さんやスタッフの方々と打ち合わせを繰り返すたびに「伝統工芸、職人さん、、、本気で応援します!」という熱い思いがひしひしと伝わってきました。

3月25日の能登半島地震発生時は、山口智子さんのショップ「燕子花別館」でうるしの個展を開催中。落ち込む私をスタッフさん共々いろいろと応援していただきました。

それからも様々な企画を実施したり、作り手さん達を応援する取材を行ったり、、、、頭の回転をすべて行動に移しているような人です。そんな山口さんが信頼おける制作会社のスタッフさんとともに約半年をかけてまとめてくれた番組が放映されます。少しずつ少しずつ暮らしの中で漆が当たり前になっていくこと願っています。
熱い想いが詰まった番組です。是非ご覧下さい!

輪島キリモト・桐本木工所 桐本泰一


山口智子が企画・プロデュースするスペシャル番組
「 山口智子 手わざの細道 うるしの国の物語 」

○テレビ東京系列
(テレビ大阪/テレビ愛知/テレビせとうち/テレビ北海道/TVQ九州放送)
 2007年9月23日(日)夕方4時~5時15分放送 
○BSジャパン
 2007年9月29日(土)夕方4時~5時15分放送
○富山:富山テレビBBT(CX系)
 2007年9月29日(土)午後14時~15時15分放送
○ 石川:北陸放送MRO(TBS系)
 2007年10月6日(土)午後15時30分~16時45分放送


「日本の職人の、世界に誇れる素晴しい“手わざ”を、もっともっと多くの人に伝えたい!」手わざの細道第2弾、今回の舞台は北陸。主にご紹介する手わざは、輪島塗です。日本海能登の自然の中で育まれてきた輪島塗は、多くの職人達の分業によって生み出されるもの。
さらに今回は、井波彫刻、八尾曳山の木組み、金沢和傘、箱根寄木など日本伝統の優れた木工芸もご紹介します。職人たちの魅力的な人柄と言葉に触れつつ、山口さんが見つけた素晴しい手わざの世界へとご案内いたします。
(制作:テレビ東京 テレビマンユニオン+山口智子)

(以下、山口智子さんの取材メモより)

「かたち」は何から生まれるのだろう。「手技」は何に育まれるのだろう。
それは「風土」と呼ばれるものであると、強く感じる。風であり土であるもの。
その土地、その日々に生きることが、どこにもないかたちとなって現れる。
海、雨、雲、季節を運ぶ風。それらが人に託した美しい形と用途を探ってみたい。

今回軸となるテーマは漆。
ご飯とお味噌汁。私たちの体と心の故郷。それをさりげなく支え彩ってくれている漆のお椀。漆のお箸。漆は日本の顔であり、日本の風土から生まれたもの。漆の優しい風合いと機能は、日本海能登の自然とそこに生きる職人さんのそれぞれの技の結晶。

輪島独特の、職人さんの分業システムが面白い。
木地職(椀木地、曲物、指物、朴木地)、下地職人、上塗り職人、漆掻き職人、塗師屋、沈金…。
彼らのうち一人が欠けてもひとつの椀は出来上がらない。また、彼らが手を携え合うのは技だけではない。一生をかけて暮らしを支え合う。
職人が厄年を迎えるとチームが結成され、困った者を徹底的に皆で助ける習わしが今も続いている。そのチームに歌い継がれた祝い歌は、兄弟子から弟弟子へと伝承されてゆく。この職人連の祝い歌の、なんと美しいことか! 見事な歌を歌い継ぐことも立派な職人の条件。美しい人が美しい形を生む所以である。
職人は常に、人を楽しませるエンターテイメントの心を要されるのだ。
(プロデューサー・構成 山口智子)

<現代に生きる伝統の「手わざ」を求め、職人の仕事場を訪ねます>
輪島 漆塗り
出会いは1つのコーヒーカップ。シンプルなデザインに映える美しい漆黒の表面。余計な重さが無く、手に感じるのはコーヒーの重さのみ。そのカップ、実は日本伝統の輪島塗だった。
山口さんがコーヒーカップをたどって出会ったのが、桐本泰一さん。
「輪島塗を、日本人の生活にもっと使って欲しい。」と活動する輪島塗のプロデューサー。
古くから分業の手作業で作られてきた輪島塗。
木地師、塗り師、蒔絵師・・・ひとつの作品が生まれるまでには様々な職人の手が関っています。
コーヒーカップ作りを中心に、それぞれの職人が誇る繊細かつ正確な手わざをご紹介します。

(山口ノートより)
*輪島 桐本泰一さん
「人の暮らしの質を高めて、気持ちよく心地よくあることを目指す。その結果生まれるものがデザインと呼ばれるもの。自分が生まれ育った地域から生み出される漆器を、この世に再度広めることが私にとってデザインの実践。」
かつての高度成長期以来、高級美術品の色が濃くなってしまった輪島の漆器を、毎日使うための漆器本来の姿に戻そうと、使い易くシンプルで美しいデザインを追求。個人の作品という概念の枠を大きく超えて、輪島という土地とたくさんの職人さんが、再び元来の力を発揮することを目指して、東奔西走の桐本さん。異色のデザインナーとのコラボレーションにも意欲的に挑戦し、毎日寄り添える漆を作り出している。

*輪島独特の、職人さんの分業システムが面白い。
6〜10職の専門分野。木地職(椀木地、曲物、指物、 朴木地)、下地職人、上塗り職人、漆掻き職人、塗師屋、沈金…。

*椀木地職 寒長 茂さん  
すばらしい木地をひく。器のもととなる荒型づくり。ひと月も木を燻す燻煙室が美しい。

*器だけでなく、漆は住空間にも適している。拭き漆の部屋、浴室の壁面や天井。

*建具師 遠藤潔さん(石川県田鶴浜)         
350年の歴史を持つ‘浜の建具’。4枚の襖には、6万個のパーツが組み込まれる。接着材を一切使用しない、100分の1ミリ単位の手仕事の世界。

*棟梁 島崎英雄さん(富山県)
島崎棟梁の家作りは、金属は一切使用しない、昔ながらの“組む”家作り。番組中でも、実際に家の組み立てをご紹介。その建築法を用い、島崎さんが作るのが1650g、指一本で持てる超軽量椅子。勿論これも、金属を一切使っていない。

*井波彫刻 南部白雲さん(富山県井波)
江戸時代、京都から伝えられ、高度な寺社彫刻の技を基本に発展してきた井波彫刻。3代目、南部白雲さんは2百本以上のノミを自在に操る熟練工。しっかりとした基礎技術を基に、新しい試みを。「文化はしょせん無駄な遊び。でも遊び心がなくちゃ人生つまらない。しかも、プロの遊びがしたい」
そんな南部さんの生み出す作品は、彫刻の新しい世界を引き出している。

その他、
*神奈川県 箱根 寄せ木/天然の木々の本来の色を活かし、寄せて作る幾何学デザイン。
*石川県 金沢 和傘/30種の全工程をひとりの手で作り上げる北陸唯一の和傘職人。
*石川県 七尾 和蝋燭/特徴は、西洋のものには無い力強い炎。日本古来の材料から作り出される。
★この番組のテーマ曲は、タンゴ・バンドネオン奏者・小松亮太の書き下ろしオリジナル曲。こちらも是非ご期待ください。



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