いつものうるし通信 第73号
2009.10.23
先週の金曜日、富山県髙岡市・町制400年記念のオープニング企画・「金屋町楽市inさまのこ」のシンポジウムにパネラーとして参加してきました。
コーディネーターは、富山大学芸術文化学部の伊東順二氏。
パネラーは、インテリアデザイナーの橋本夕紀夫氏。コンセプターの坂井直樹氏。
みなさん、実績豊かな方々・・・・・。
会場入りしてから、「ほんとにオレでよかったのかな・・・・・」とすこし不安になりました。
心の準備も整わないままに始まりましたが、工芸の街・髙岡の試み、伊東さんの仕掛け、橋本さん、坂井さんのお仕事などなど、とっても刺激になりました。わたしは、これまでの漆の仕事をパワーポイントにまとめて見てもらいました。
特にインパクトがあったのが桐本独自に開発した、傷が付きにくい「makiji」技法の紹介。
・これからの漆の広がりを感じるね。なにか一緒に出来ないかな・・・・。
・今日は勉強になった。私はステンレスが大好きなんだが、漆という素材もおもしろいねえ・・・。「ホッと」しました。
インテリアに漆を多用している橋本さんにも、知られていなかった桐本独自の「makiji」。
もっともっと、知っていただく努力をしないといけません。
それには、これまでの説明よりも、もっとわかりやすい手法も考えないといけないですね。これまでも、企画展、個展などでは、数多くの漆のトークショーを行っていますが、もっとわかりやすく、もう少し「当たり前に」漆が認識されるように活動していきたいと思います。
さて、今回はこの時期恒例となりました3回目となる、ギャラリーわいち展のご案内です。自由な漆の表現の場を求めて、輪島のわいち商店街に仲間達と立ち上げた「ギャラリーわいち」もオープンして9年半が経ちました。今回は運営メンバー5名と新しくメンバーに加わった、若く熱意ある漆芸家・古込和孝さんを加えた6名の企画展となります。
輪島キリモトは朴を使った黒拭漆の重ね箱、輪島の地元材であるあすなろと朴(ほお)を使った木製品・アテハコシリーズなどの木目を生かした新作を中心に出品いたします。あすなろの白木と朴(ほお)の黒拭漆のコントラストが美しい小箱。蟻ほぞ加工を施し、スライド式で蓋が開く仕組みとなっています。スッと気持ちよく滑らかに開け閉めできる優しい蓋の感触をぜひ手にとって感じていただきたいと思っています。
11日1日(日)14時〜はトークショーも行いますので、みなさまぜひお出かけください。
お待ちしております。
輪島キリモト・桐本木工所 桐本泰一
「うるしはともだち・ギャラリーわいち展」
●会期 2009年10月28日(水) 〜 11月3日(火・祝) 10:00〜19:00
●会場 日本橋三越本店・本館5階 J・スピリッツ
〒103−8001 東京都中央区日本橋室町1−4−1
tel 03−3274−8533(直通)
漆塗り、蒔絵、沈金、木目を生かした拭漆などの新しい漆表現にチャレンジして広めたい、漆の里・輪島の街を盛り上げたいという気持ちを込めて「ギャラリ−わいち」が開店して9年半が経ちます。
今年は運営メンバー5名と新メンバー古込さんの展示となります。使い手の皆様の目線に立って創作し続けている漆の器、小物、アクセサリー、パネルなどをご覧下さい。
【出品者】
四十沢宏治(木地屋)、小田原延子(漆芸家)、桐本泰一(木地屋)、 古込和孝(漆芸家)、谷内直人(漆芸家)、山口浩美(漆芸家)
■在店予定:
桐本泰一/10月31日(土)14:00〜、11月1日(日)・2日(月)終日
古込和孝/10月29日(木)〜11月3日(火・祝)
■桐本泰一トークショー:11月1日(日)14時〜 「暮らしで漆を使うこと」
■「ギャラリーわいち」
〒928−0001 石川県輪島市河井町わいち4−42 TEL 0768-23-8601