第35号 2008.03.12



まだまだ朝晩は冷えますが、日中はようやく春らしくなってきました。

先日、新宿のヒルトンホテルのエントラスロビーの一角にできるチョコレートショップに巨大な漆のカウンターを深夜に施工し納品しました。形は舟形。本体は桐を積層して拭き漆仕上げ。天板は荒い麻布を市松に編んだ漆布みせ仕上げ。
かつてない大きさで、たいへんな迫力あるものとなりました。
漆製としては、とても珍しく、木をくることが得意な桐本木工所ならではのカウンターに仕上がったと自負しています。お店の開店は3月21日です。
お近くに出かけの際はちょっと足をのばしてご覧いただけましたら、うれしいです。

さて、今回は滋賀県の「季の雲」さんでの個展のご案内です。ギャラリーでの展示販売の他に、併設するレストランでキリモトの漆器をつかったフルコースを楽しむこともできます!
たくさんの方のご来場をお待ちしています。

輪島キリモト・桐本木工所 桐本泰一


輪島 いつものうるし 桐本泰一展

●会期 2008年3月15日(土)~23日(日)
    毎月第1月曜日/毎週火曜日 定休日
    ※変動する場合がありますので Newsにてご確認ください
●会場 季の雲(ときのくも) ※住所などは下記参照
    〒526-0031 滋賀県長浜市八幡東町211-1
    tel :Restaurant 0749-68-6070/Gallery 0749-68-6072
    fax :0749-68-6070
※今回の展覧会は、1階のみを使って展示します。そのために2階は常設展示になります。
 展覧会期間中は、ギャラリーは無休です。(レストランは18日が定休日となっております)
 展覧会前後の14日、24日は、ギャラリーのみ休ませて頂きます。


私達が「うるし」に近づくきっかけを作ってくれたのは、桐本さんの漆器です。
ある婦人雑誌に掲載されたお椀は、流れるような曲線が美しいすぎ椀でした。主人と二人、「すぐに実物を見たい」と、翌日輪島に車を飛ばし、伺ったギャラリーには、偶然ご本人がいらして、私たちの訪問を喜んでくださいました。以来八年のお付き合い。
表紙のランチョンマットは、黒・赤・白の三色があり、三種類のサイズ展開。
ある住宅に白漆の建具を納品したところ好評を得。別のお話しがあったとき、小物で作って みてはどうかと、ランチョンマットになったそうです。今の暮らしの中にもすんなり馴染める色であること、布や他の素材のランチョンマットが多い中で、違う質感のこれは、うるしとしての凛とした風格を保ちながらも、軽くて明るいイメージで、うつわも料理も映える、素晴らしいモノに仕上がっています。
もちろん、直接お料理を盛り付けることもできますし、布見せという仕上げ上、キズも付き難く、布目が面白さを更に引き立てています。

桐本さんは、漆のデザインやプロデュース、同年代の職人さんたちとの創作以外に、講演やワークショップなど、漆をもっと身近に感じてもらいたいと、さまざまな活動をされています。どの企画も毎回好評で、桐本さんの熱意に、参加者の方々はノックアウトされてしまうのです。

また、和菓子の老舗、「とらや」東京ミッドタウン店では、桐本さんの菓子皿や椀が多く使用されていますので、是非訪れてみてください。毎日愛用しているコーヒーカップがあります。うるしのコーヒーカップなんて初めて見たとき、その美しさに驚きました。同じようにそのコーヒーカップに心惹かれた女性がいます。女優の山口智子さんです。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、山口さんは東京でギャラリーも経営されているのです。そのお店で扱いたいと、オファーがあって以来、桐本さんとも大の仲良しなのだそうです。そこで、その山口さんの言葉をご紹介します。

『出会いはひとつのコーヒーカップ。シンプルなデザインに映える美しい漆黒の表面。余計な重さが無く、手に感じるのはコーヒーの重さのみ。そのカップ、実は日本伝統の輪島塗だった。コーヒーカップをたどって出会ったのが、桐本泰一さん。「輪島塗を、日本人の生活にもっと使って欲しい。」と、活動する輪島塗のプロデューサー。
「かたち」は何から生まれるのだろう。「手技」は何に育まれるのだろう。
それは「風土」と呼ばれるものであると、強く感じる。風であり土であるもの。
その土地、その日々に生きることが、どこにもないかたちとなって現れる。海、雨、雲、季節を運ぶ風。それらが人に託した美しい形と用途を探ってみたい。
今回軸となるテーマは漆。ご飯とお味噌汁。私たちの体と心の故郷。それをさりげなく支え彩ってくれている漆のお椀。漆のお箸。漆は日本の顔であり、日本の風土から生まれたもの。漆の優しい風合いと機能は、日本海能登の自然とそこに生きる職人さんのそれぞれの技の結晶。』


■桐本泰一在廊日:15日(土)、16日(日)
■「桐本泰一さんのぬりものでフルコース」(展覧会期間中毎日)
お一人様 5,000円(ランチ・ディナー共に)  ご予約の場合は 0749-68-6070
・前菜の盛り合わせ
・天然真鯛と筍、菜の花のぺペロンチーノ
・帆立貝柱のじゃが芋包み焼き
・養老ポークのグリル 温野菜サラダ仕立て
・デザートの盛り合わせ 
・コーヒー または 紅茶
※山道盆・高麗鉢・高麗皿・すぎ椀などを使って、フルコースをご用意いたします。



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